走らんか副社長

【中山道 西行】

76区 蕨~浦和

蕨市は面積が日本一狭くて人口密度が日本一高い市だと知ると、きっと狭苦しくてごみごみした街なのだろう、と先入観を持ってしまいそうだが、実際にはそんなことはない。かつて宿場があった街道はきれいに整備され、ところどころに古い建物が保存されている。

宿場の入口には江戸時代の雰囲気満点の門柱が立っているし、足元を見ると側溝の蓋には“わらび宿”の字と旅がらすのイラストが延々と続いている。小さなことだけれど、街の印象はこんなちょっとした粋な工夫によってがらりと変わるものだ。


蕨市
マスコット
キャラクター
「ワラビー」

わらびといえば山菜のわらびや、わらびもちを思い浮かべるが、ワラビーという動物もいる。カンガルーの仲間らしい。どの自治体も競って“ゆるキャラ”を制定するご時世なので、蕨市はワラビーを活用しているに違いないと予想したのだが、やはりその通りで名前はそのものずばり“ワラビー”だ。ただ、街中ではその姿を見かけなかったので、露出度は控えめのようだ。


蕨宿にある三学院というお寺には大きなお地蔵さんがあり、お地蔵さんの目に味噌を塗ると眼病が良くなるという言い伝えがあるらしい。本当に目に味噌を塗り込まれた地蔵は見るからに痛々しく、まるでいじめられているようだ。自分が快適に過ごすために、地蔵を痛い目に遭わせて身代りにしようとは、人間はなんと身勝手な考え方をするのだろうか。

こんなことで良いのかと言いつつ、いざ自分のこととなると、私は3年前に翼状片という目の病気で手術をし、しかもこの病気は再発する確率が高いと医者から言われているので、どうか再発しませんようにと真剣にお願いする。さすがに味噌は準備していないので、塗ってはいないが。


さいたま市浦和の街に入って、調(つき)神社にお参りする。この調神社は、調(つき)→月→うさぎのつながりからか、狛犬ならぬ狛兎が出迎えてくれる。ちょうど七五三の季節の日曜日にあたったので、和服姿の子供連れの家族が大勢いて、本殿にはなかなか近付けない。

狛兎ばかりではなく、手水舎の水も兎から出ている。龍の口から水が出ているものはよく見かけるが、かわいい兎が口から水を吐いている姿はあまりにも現実的すぎるのではないか。なんだか体調が悪くて嘔・・・おおっと神聖な場所にふさわしくない話はやめよう。


JR浦和駅には数年前に一度来たことがある。駅前に像があったことは記憶しているのだが、何の像だったかを思い出せないまま到着した。来て見てわかった、“浦和うなこちゃん”だったか。故やなせたかしさんの作によるもので、うなぎをPRしている。それにしても、ここがかつてはうなぎの産地だったとしても、なぜ今さら浦和がうなぎなのかと思うのだが、浦和はうなぎの蒲焼き発祥の地だといわれているから、と説明されている。

うなこちゃんが手に持つものは季節によって変わるようだが、今手にしているのは、本日開催のさいたま国際マラソンのうちわだ。

2017年11月

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