2019年 新年のごあいさつ

2019年1月1日
宮島醤油株式会社
代表取締役社長 宮島清一


 2019年、平成31年の新年、明けましておめでとうございます。昨年も弊社と弊社商品に対するご愛顧ありがとうございました。謹んで新年のごあいさつと御礼を申し上げます。

 昨年は明治150年。我が国が近代国家としての歩みを始めて150年という記念すべき年でした。今年は元号が変わります。醤油や清酒など醸造業には古い会社が多く、明治から今に続く歴史を企業の歩みと重ねてみますと、皆さん各々、地域社会と共に永い歴史を刻んでこられたことが推察されます。弊社も創業以来137年間、地域の人々に守られ、育てられてきたことを改めて自覚し、ますます精進したいと思います。近年の弊社事業の一端をご報告申し上げます。

 第一は食品の品質管理と安全管理です。弊社の食品生産は3つの工場で行っています。宇都宮工場(栃木県宇都宮市)は2006年、本社工場(佐賀県唐津市)は2012年、妙見工場(佐賀県唐津市)は2016年にSQF(Safe Quality Food)国際認証を取得し、3工場が揃ってSQF認証工場となりました。世界中の皆さんに安全で高品質な食品をお届けする取り組みを、今後も進めてまいります。

 第二は脱石油の取組みです。食品会社では、加熱調理等に燃料を使います。弊社では二酸化炭素排出量の多い石油から、よりクリーンな天然ガスへの切り替えを進めてまいりました。2012年に本社工場、2015年に宇都宮工場に工業用天然ガスラインを引き、妙見工場には2013年に屋外LNG貯蔵タンク(サテライトステーション)を設置することで、3工場へのガス供給インフラを整えました。発電設備としては2015年に宇都宮工場、2017年は妙見工場にガスコージェネレーションシステムを設置しました。こうして弊社は石油を殆ど使わない会社になりました。

 第三は主力工場である妙見工場を環境先進工場(スマート工場)にする取組みです。2017年に大きな投資を行い、ガスコージェネレーション設備の排熱を利用した吸収式冷凍機を新設しました。電気式エアコン61基に制御機器を搭載すると共に、工場全体をカバーするエネルギー計測・制御システムを導入し、きめ細かな省エネ管理を行っています。工場内のすべての蛍光灯と水銀灯を廃し、1,163個の照明及び118個の誘導灯をLED(Light-Emitting Diode)化しました。昨年は市の工業用水を工場内で限外濾過し、高度な食品用水とするシステムを稼働させました。こうした取り組みにより、環境に配慮しながら高度安全管理、衛生管理のできる工場として前進しています。

 第四は地域の第一次産業と連携した「地産地工」事業です。当社では2008年より、佐賀県で育てられた農作物、畜産物を使った加工食品「佐賀シリーズ」を製造販売しており、「佐賀しょうゆ」、「佐賀無添加味噌」、「佐賀牛カレープレミアム」、「佐賀県産和牛カレー」などからなります。

地産地工「佐賀シリーズ」商品群

 これらの商品1個の売上ごとに1円を佐賀県に寄付納税し、虹の松原の再生・保全に役立てていただいています。また、虹の松原の一画を担当エリアとして受け持ち、2011年より定期的に松葉掻き、清掃を行っています。昨年11月、私はこれらの活動について、環境NPO代表の方と共に「日本海岸林学会」にて報告する機会を頂きました。

 最後に、文化事業です。2017年には大林宣彦監督が第二次世界大戦中の佐賀県唐津市を舞台に制作された映画「花筐/HANAGATAMI」に協力しましたが、昨年は栃木県宇都宮市で餃子(ぎょうざ)をテーマにしたラブコメディー映画が企画され、こちらにも積極的に協賛しました。秦建日子(はたたけひこ)監督による「キスできる餃子」という楽しい作品で、主演は足立梨花さん。去年の夏、全国で上映されました。映画の公開にあわせて、当社でも餃子を使った新商品を発売し、「餃子の街」宇都宮を盛り上げるため、微力ながらお手伝いしました。

 これからも安全で高品質な食品をお届けし、事業を通じて社会に貢献する企業として前進してまいります。皆様どうぞよろしくお願い申し上げます。

第16回虹の松原の松葉かき
(2018年11月、佐賀県唐津市、虹の松原の再生・保全活動)