2021年 新年のごあいさつ

2021年1月1日
宮島醤油株式会社
代表取締役社長 宮島清一


 新年明けましておめでとうございます。2020年から今年にかけては、感染症の大流行が世界を襲った年として歴史に記録されるでしょう。100年間起きていなかったことが起き、世界はその対策に追われています。人と物の移動が抑えられ、人々が集う機会が激減したことで、多くの産業が打撃を受けました。教育にも深刻な影響が出ました。誰にとっても初めての事態ですので、様々な失敗や試行錯誤をするのは仕方ありません。昨年1年間で学んだ知見を活かし、今年は社会に落ち着きを取り戻したいものです。

 事業を縮小あるいは一時休業した業界もありましたが、食品産業には、どんな時でも食品を安定供給するという大事な役割があります。私どもも昨年はその使命感に支えられて働いてきたように感じます。弊社は創業から139年を迎えます。永い間、地域の皆さん、消費者の皆さんに支えられ、育てられてきたことを改めて自覚し、ますます精進したいと思います。近年の弊社事業の一端をご報告申し上げます。

 1.食品の品質管理と安全管理
 弊社の食品は3つの工場で生産しています。宇都宮工場(栃木県宇都宮市)は2006年、本社工場(佐賀県唐津市)は2012年、妙見工場(佐賀県唐津市)は2016年にSQF(Safe Quality Food)国際認証を取得し、3工場が揃ってSQF認証工場となりました。世界中の皆さんに安全で高品質な食品をお届けする取り組みを、今後も進めてまいります。

 2.二酸化炭素の排出削減
 食品会社では、加熱調理等に燃料を使います。弊社では二酸化炭素排出量の多い石油から、よりクリーンな天然ガスへの切り替えを進めてまいりました。2012年に本社工場、2015年に宇都宮工場に工業用天然ガスラインを引き、妙見工場には2013年に屋外LNGサテライトステーションを設置することで、3工場へのガス供給インフラを整えました。発電設備としては2015年に宇都宮工場、2017年は妙見工場にガスコージェネレーションシステムを設置しました。こうして弊社は石油を殆ど使わない会社になりました。

 3.環境先進工場の建設
 主力工場である妙見工場を環境先進工場(スマート工場)にする取組みを進めています。2017年にガスコージェネレーション設備の排熱を利用した吸収式冷凍機を新設しました。電気式エアコン61基に制御機器を搭載すると共に、工場全体をカバーするエネルギー計測・制御システムを導入し、きめ細かな省エネ管理を行っています。工場内のすべての蛍光灯と水銀灯を廃すべく、1,163個の照明及び118個の誘導灯を順次LED(Light-Emitting Diode)化しています。2018年には工業用水を工場内で限外濾過して高品質化するシステムを稼働させました。昨年新設した第4工場は無人フォークリフトの運転を前提とした設計としており、屋上には太陽光発電設備を設置し、電力の自社生産比率を高めました。

 4.地産地工事業
 地域の第一次産業の産品を域内で消費する「地産地消」には、経済効果の面で限界があります。私たちは地域の農水産物を加工して付加価値を高め、域外に幅広く販売することで得られる大きな売上を地域に還元する「地産地工」事業に取り組んでいます。2008年より、佐賀県で育てられた農作物、畜産物を使った加工食品「佐賀シリーズ」を製造販売しており、「佐賀しょうゆ」、「佐賀無添加味噌」、「佐賀牛カレープレミアム」、「佐賀県産和牛カレー」などからなります。

 これらの商品1個の売上ごとに1円を佐賀県に寄付納税し、虹の松原(佐賀県唐津市)の再生・保全に役立てていただいています。また、虹の松原の一画を担当エリアとして受け持ち、2011年より定期的に松葉掻き、除草、清掃を行っています。2018年にはこれらの活動について、環境NPOの方と共に「日本海岸林学会」にて報告する機会を頂きました。
栃木県での地産地工事業にも取り組んでいます。昨年は岩下食品様(栃木市)や宇都宮餃子会様(宇都宮市)とのコラボ商品を開発、発売しました。

 5.商品開発
 長寿社会の大きな問題となっている生活習慣病予防のため、減塩製品の開発に継続的に取り組んでいます。国立循環器病研究センター(大阪府吹田市)では、「塩を軽く使って素材の美味しさを引き出す」ことに成功した商品に「かるしお」認定を行っておられます。昨年、当社の「減塩ビーフカレー」、「減塩ステーキスパイス」、「減塩うどんスープ」などが「かるしお」認定をいただきました。

減塩ステーキスパイス

減塩ビーフカレー

減塩うどんそばストレートスープ

「三つの豆と根菜のミネストローネ」と「三つの豆と根菜のカレー」はNPO法人ベジプロジェクト・ジャパンより「ヴィーガン」認証を受けました。佐賀県農業試験研究センターで育種された新種の紫黒米「佐賀40号」を使った当社の「紫黒米酢」は「肥満気味の方の内臓脂肪を減らす」機能性表示食品となりました。

 6.文化事業
 2011年から行われている「みんなの科学広場in唐津」に毎年参加し、科学の驚きと楽しさを皆さんと共有しています。昨年はYouTubeを使ってのリモート開催となりましたが、「最強の味噌汁具材は何か!?」をテーマに参加しました。高校生のアイデアをもとに高校生と協力して商品を開発、製造、販売する事業にも継続的に取り組んでいます。

 これからも安全で高品質な食品をお届けし、事業を通じて社会に貢献する企業として前進してまいります。皆様どうぞよろしくお願い申し上げます。