レッツ・チャレンジ

第52回目は『しいたけ栽培 前編(種駒の打ち込み~仮伏せ)』に挑戦!

チャレンジャーMEN

 数あるキノコの中でも人気、知名度ともに抜群の存在感を誇る「しいたけ」。鍋料理、茶碗蒸し、うどん、天ぷら…、煮ても焼いても揚げてもおいしい食材で、弊社レシピサイトでもシイタケを使ったレシピをたくさん紹介しています。

らくらくクッキング「しいたけを使ったレシピ

「そんな椎茸をいつでも食べられたら、きっと幸せだろうな~」と思ったチャレンジャーN。「そうだ!栽培してみよう!」と思いついたら即行動のNは、さっそく実家の山に木の伐採に向かったのでした。

 前回の「かまどでごはん」に引き続き、今回もオープンエアでのチャレンジとなりました。
 はじめに申し上げておくと、今回はドラマチックな展開も派手な演出もない、地味な作業系チャレンジとなっております。
 
 それでは、しいたけ食べ放題を目指してチャレンジ開始です。


(1)原木と種駒

 しいたけの種は新発売の「もりの金太郎」(森産業株式会社)を使用します。

「しいたけの種」

~しっかりとした歯ごたえの肉厚「どんこ」が採れる!~

というキャッチコピーに期待が高まります。

 箱を開けると、種駒400個が入っています。種駒(たねごま)とは人工的に栽培しやすいように、木片に菌を生やしたものです。1942年、森産業の森喜作博士が世界で初めて種駒によるしいたけの人工栽培を発明されました。思いがけず、しいたけ栽培の歴史も学ぶことができました。原木栽培がはじめてでも安心の手引書が同封されています。今回のチャレンジの心強い味方です。この手引書に沿って、進めていくことにしました。

 チャレンジャーNが用意してくれた原木はクヌギです。10本あります。手引書によれば、クヌギの木はしいたけの発生量が多く、品質も良いが、比較的管理が難しいそう。

 90cmの長さにカットしています。90cm~1mくらいの長さが管理しやすい。

 原木の太さは7~20cm前後のものが扱いやすい。
 1本の原木に接種する種駒の数は太さの約4倍が目安です。
 この木は直径10cmなので、40個の種駒を使用します。

(2)種駒の打ち込み

● 原木に穴をあけます。

 電動ドリルに森産業種駒専用キリを装着します。専用のキリの直径は9.2mm、深さが25~30mmになるようにストッパー付きで、種駒のサイズにぴったりの穴が開けられるようになっています。

 穴を開ける位置は、1列に4~5個(20cm間隔)で列と列の間は約4cm離します。直径10cmの原木の場合は、8列で40個の穴を開けます。原木の直径に合わせて、穴の数と間隔を計算しながら、作業を進めます。

ドリルを手にするチャレンジャーM

 キリの先を原木に当てて、滑らないように気を付けながらスイッチを押すと、木が少しずつ削られていきます。樹皮を貫通するまでは結構な力が必要です。ストッパーがあるので、それ以上進まなくなったら、ドリルのスイッチを切り替えて、引きあげます。するときれいに穴が開きました。

● 穴に種駒を打ち込みます。

 
 次の工程は、穴に種駒を打ち込む作業です。種駒はワインのコルク栓のような形状をしています。穴に種駒を差し込んで、表面が平らになるようハンマーで叩きます。

 表面が平らになって、どこに種駒が入っているのかよく分からないくらいの“いい仕上がり”!↓

 慣れてくると、穴を開ける人(チャレンジャーN、左奥)・種駒を入れる人(M、右奥)・ハンマーでたたく人(E、手前真ん中)と自然に役割分担ができ、流れ作業になっていきます。

 原木の太さに合わせて種駒の数を計算して、打ち込んでいったら、種駒が80個ほど余ってしまいました。
手引書を確認すると、

打ち込みする種駒の数が多いほど菌が蔓延して害菌の侵入も少なく、よいホダ木ができあがる。
※ホダ木とはしいたけが発生する状態になった木のこと。

残った種駒は翌年使用することはできないため、余分に穴を開け打ち込むか、原木を追加して、使い切るようにとのこと。

とあったので、残りの80個を使い切るため、穴が開けられそうなところを探して、打ち込んでいきます。

 作業開始から約1時間、原木10本分の種駒打ち込みが終わりました。

(3)仮伏せ(保温管理)

 接種された種駒の菌糸が原木に移ってまん延を始めるように保湿管理をすることを「仮伏せ」といいます。

● 原木に水分を含ませる。

 手引書には散水と書いてありましたが、ちょっとだけでもオリジナリティを出そうと、トロ舟に水を張って、原木を浸漬させる方法をとりました。30分間漬け込んで、水を含ませます。

● 保温管理(仮伏せ)を行う。

 
 水分を含んで重くなった原木をヨイショと持ち上げて保管場所まで運びます。

 
 ワラを敷いて、その上に原木を置いていきます。原木を30~50cm位の高さの横積みにして、上にワラを載せます。最後にビニールシートとブルーシートで隙間がないようにしっかり覆います。

 仮伏せ中に注意することは、内部の温度が25℃を超えないようにすること。また、春になり夜間の最低気温が5℃以上になると、1日中菌糸がまん延できるようになります。

 3~4ヶ月間、チャレンジャーNの実家で管理(水撒き、菌糸の成長確認など)をしてもらい、梅雨入り前に会社に届く予定になっています。


 今回は「種駒の打ち込みから仮伏せまで」をご紹介しました。「もりの金太郎」は早採り品種で、早ければ秋に収穫ができます。歯ごたえしっかり、肉厚なしいたけが実るまでの様子は「レッツ・チャレンジ しいたけ栽培 後編」で引き続きお伝えしたいと思います。

参考:森産業株式会社 もりのきのこ種菌「もりの金太郎」しいたけの原木栽培の手引き

2021年2月27日実施